2010 年 2 月 のアーカイブ

こちら編集部〈8〉体を酷使してこそスポーツ?

2010 年 2 月 2 日 火曜日
見習い: いよいよ冬季オリンピックが始まりますね。
女記者: カナダのバンクーバーで2月12日から。楽しみよね。私は何といってもフィギア女子の浅田真央選手に注目です。
見習い: 前回のトリノは年齢制限で出られなかっただけに、本人も楽しみでしょうね。
女記者: 一時の不振を脱したようだし、キム・ヨナ選手との対決が楽しみだわ。
見習い: 僕の注目はスピードスケートの高木美帆ちゃんですね。史上最年少の15歳。りんごのような赤いほっぺで旋風を巻き起こしてもらいたいです。それはそうと編集長、今日はえらくおとなしいですね。日頃スポーツにはうるさいのに。
女記者: ほんと、むっつり黙り込んで。また道に落ちてた変なものでも食べたんじゃないかしら。
編集長: こら、人をお腹空かした野良犬と一緒にするな。それに「また」て、いつ、わしが道に落ちてるもん食べた?
女記者: 去年の節分の翌日。殻付きの落花生やったら清潔やって言いながら、事務所の前に落ちてたのを食べてたじゃないですか。
編集長: しょうもないことをよう覚えとるな。北海道や東北では、節分に殻付きの落花生をまくと聞いて真似してみたんやが、確かにあれはええわ。豆が無駄にならんし、思い切り投げても鼻の穴に入る心配が……(ガッシャーン)い、痛い、それにうるさい。ほんまにいらんもん作りよって。静かに考え事してたのにわややないか。
見習い: 何を考えてたんですか。
編集長: ほかでもない。冬季オリンピックのことや。
見習い: あ、そうだったんですか。で、編集長は誰に注目してるんですか。
編集長: いや、そういうことやないんや。果たしてあれがスポーツと言えるんかなと思てな。確かにスキーのアルペンやスピードスケートは凄い。しかし、スキーのジャンプな。あれ、運動として見たら中腰から立ち上がっただけやろ。曲げてた膝を伸ばしただけや。それが果たしてスポーツか。スケルトンなんか、最初は走るけど、あとはうつぶせになったままやで。リュージュに至っては、ほとんど仰向けに寝たままや。寝ころぶのがスポーツと言えるの……(ガッシャシャーン、ドッシャシャーン)あ、あ、連打はいかん。
女記者: なんたる侮辱、なんたる暴言。失言でした、すみませんでしたではすまない発言ですよ。
見習い: ほんとですよ。ジャンプなんて人間が空を飛んでるんですよ。それを曲げていた膝を伸ばしただけだなんて、あまりにもひどい言い方です。
女記者: スケルトンやリュージュは時速120km以上も出るんですよ。その猛スピードの中でソリを操れますか。ユニフォームだけの生身の体だから圧力だって凄いし、ただ寝てるだけなんてとんでもない話だわ(ガッシャーン)。
編集長: 痛たた。何も言うてないがな。
女記者: 関係者に成り代わっての一撃です。反省しなさい。
編集長: いや、凄いことはわしも重々承知してる。ただ、あまりにも体の動きが少ないので、わしにとってはスポーツいう感じがせんのや。
見習い: 編集長は跳んだり跳ねたりしてこそスポーツという、古いタイプですからね。
編集長: 古いは余計じゃ。細かい技術もあるんやろうけど、見てる分にはひたすら寝てるだけやからな。やってる方は面白いやろうけど、見る方としては現場で見てたら一瞬で通り過ぎるし、テレビで見ててもタイム差いうたら1000分の1秒のレベルやから優劣も分かりにくい。
見習い: しかし、あのスピードは迫力ありますよ。
編集長: うん、わしも何やかや言いながら、テレビ中継あったら見るけどな。あんまり見たないのはスキーの距離競技や。
女記者: どうしてですか。あれこそ全身を大きく使うし、編集長のいうスポーツそのものじゃないですか。
編集長: あれ、追い抜く時は別にして、選手はだいたい同じコースを走るやろ。接近してくると前の選手のストックが眉間に突き刺さりそうで、先端恐怖症のわしとしては見るに絶えんのや。よだれとかがつららになってるのも汚……(ガッシャーン)、クーッ、何も眉間を狙わんでもええやろ。
女記者: ほんとにスポーツ一つまともに見ることもできないんだから。
編集長: えらいすんまへんな。オリンピックの話題は、もう、懲り五輪や。お後がよろしいようで。