2010 年 4 月 のアーカイブ

こちら編集部〈10〉 4月1日と2日の間には……

2010 年 4 月 24 日 土曜日
編集長: (パッコーン)わ、わ、いきなり何するんや。痛いやないか。あ、それは以前に使うてたボール紙の張り扇やな。
女記者: そうよ。去る2月26日、チャンバラトリオの南方英二さんが亡くなられたでしょ。南方さんと言えば張り扇。だから以前使ってたボール紙の張り扇でお弔いをしようと思って持ってきたの。
編集長: せやからいうて、わしを叩くことはないやろ。
女記者: ほかに誰を叩けというんですか。
編集長: おお、なんちゅうごり押し理論。それはそうと南方さんと言えば、昔、山城新伍さんの『風小僧』というテレビ番組で、河童の役をやってたのを覚えてるわ。もちろん名前なんか知らなんだけど、あまりにも河童に似てたんで、子供心にも怖いというか、気持ち悪いというか……。
見習い: 似てたって、河童なんて実在しないでしょ。
編集長: いや、想像図とかあるやろ。あの独特の顔がそれに似てて、強烈に印象に残った。それで後年チャンバラトリオの一員として出てきた時、「あ、あの河童の人や」とすぐ思い出した。それ以来のファンやったんや。ご冥福をお祈りするわ。(パッコーン)またかいな。それにあの人は叩き役やったんやぞ。
女記者: だから南方さんに叩かれていると思えばいいじゃないですか。
編集長: おお、新手のごり押し理論。それにしても懐かしいな、わしが小学生の頃の話や。
女記者: 尋常小学校ですか。
編集長: 違うわい。とっくに新制の小学校になっとったわい。
見習い: その小学校の入学ですけど、あれどうして誕生日が4月1日と2日で、入学の年が分かれてるんですかね。普通なら3月31日で切るべきでしょ。
編集長: 会社なんかも新年度は4月1日からスタートやしな。
女記者: それは民法と私たちの誕生日に対するとらえ方の違いですね。普通、私たちは誕生日が来て一つ年を取ると思ってるじゃない。実際、それで間違いではないんだけど、法律のとらえ方はちょっと違って、誕生日の前日が終わる瞬間にその年齢を満了したとし、同時に新たな年齢がスタートするとしているわけ。つまり1月1日生まれの人は、12月31日の午後12時に1つ年を取り、1月1日の午前0時には、もう新しい年齢になっているというわけです。
見習い: 12月31日の午後12時と、1月1日の午前0時って同じじゃないんですか。
女記者: 私たちの感覚としては同じだけど、法律は違うのよね。それで学校教育法では、「保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の始めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う」としているわけです。
編集長: おいおい、日本語で言うてくれ(ガッシャーン)。痛たた、ブリキの張り扇も持ってきてたんかいな。
女記者: 自分の理解力のなさを棚に上げて勝手なことを言うんだから。要するに「最初の学年の初め」というのは4月1日のことで、つまり満6歳になって最初に迎える4月1日に入学させなさいというわけです。すると4月1日生まれの人は、3月31日の午後12時に満6歳になっているわけだから、翌日が最初に迎える4月1日になるわけです。ところが4月2日生まれの人は、4月1日の午後12時に満6歳になります。だから6歳になって最初の4月1日を迎えるためには、丸々1年待たなければならないというわけですね。
編集長: 1日違いでえらい違いやな。
女記者: それで1月1日から4月1日に生まれた人は、同年の4月2日以降の人たちとではなく、前年の4月2日から12月31日までに生まれた人と同じ学年になるから「早生まれ」「早行き」と言われるわけです。
編集長: 実はな、わしは4月5日生まれやねん。せやから小学生の低学年の頃は、ほかの子に比べ体も大きいし、頭も抜群に良かった。神童の誉れ高かったもんや。
見習い: どうして後ずさりしながら言うんですか。
編集長: いや、警戒するに越したことないからな。それで幼稚園からの友達で、次の年の3月30日生まれの奴がおるんや。ほぼ1年違いやから、小さい頃は馬鹿にしとったんやが、大きなるに連れ追いつかれてしもて、結局高校は同じ工業高校やった。それでつるんで勉強もせんと遊び回ってたら、同じレベルのアホになってしもた。あいつさえおらなんだら……(ガッシャーン)やっぱりきたんやね。
女記者: ほんと自分の至らなさをすぐ人のせいにするんだから。
編集長: 今では、向こうは業界ではよう名の知られた建設会社の社員、わしはしがない編集会社の編集……(ガッシャーン)あ、しゃ、社長……。
女社長: しがない編集会社で悪かったわね。もう一発脳天にお見舞いして河童頭にしてあげましょうか。
編集長: ひえ~。