2012 年 9 月 のアーカイブ

こちら編集部〈19〉 バルでガンバルぞ!って何を

2012 年 9 月 5 日 水曜日
見習い: 編集長は「バル」をご存知ですか。
編集長: ああ、上にワッカがあって、全体が網の目状になってる奴な。
見習い: それは「ザル」でしょ。僕が言ってるのは「バル」
編集長: ああ、トイレなんかで、ウーン、ウーンって……(ガッシャーン)あ痛たた。相変わらず強烈な張り扇やね。
女記者: 「きばる」って言いたいんですか。しょうもない。いい大人が顔を真っ赤にして何をやってるんですか。知らないのなら知らないと言うか、いいボケが思いつかないのなら黙っていたらどうなんですか。
編集長: そういうわけにはいかんがな。読者も期待してはるやろし。
女記者: 賢明な読者が編集長に何を期待するというんですか。
編集長: ナイスなボケ(グワッシャーン)。うう、いきなりの連発。
女記者: 読者には見えないんですから、変なポーズはいりません。気色の悪い。
見習い: あのう、「バル」のことなんですけど、先に進ませてもらっていいでしょうか。
編集長: 君がいきなりわしに振るからいかんのや。勝手にさっさと先に進め。
見習い: では。本来「バル」とは「Ber」のスペイン語読みで、スペインの街角にある気軽な立ち飲み居酒屋や食堂のことなんですが、ここで言う「バル」とは、事前にチケットを買い、参加店でそのチケットを使って食べたり飲んだりしながら、何軒もの飲食店をはしごするイベントのことなんです。
女記者: チケットは5枚綴りで、3,000~4,000円というケースが多いみたいですね。それで居酒屋さんなら、アルコール1杯と料理が1品というのが定番です。
編集長: だいたい600円~800円で、生ビールと1品やったら安いことはないけど、そう高いこともないな。
見習い: その1品というのも、例えば枝豆とか冷や奴というのとはちょっと違って、特別メニューや一手間かけたりしているものが多いので、お値打ちだと思います。
編集長: そうか。それでそのバルがどうしたんや。
見習い: 全国的に人気で、最近は大阪近辺でも盛んに開催されているんですよ。10月6日(土)には、編集部近くの大阪環状線の天満駅周辺から天神橋筋商店街一帯で「第2回天満・天神バル」が開催されます。
編集長: ほう。それでその前売り券をやるから、わしに一回体験してこいと?
見習い: いいえ、そんなおいしい話じゃありません。
編集長: なんじゃそれは。それやったらわざわざ話題にすることないやろ。女記者君、手間やけど、こいつをパコーンとやってくれ(慌てて逃げる)。
女記者: どうして逃げるんですか。
編集長: 決まってるがな。どうせわしの方がパコーンとやられるんやろ。見え見えや。その手は桑名の焼き蛤ぃ(パコーン)。何でや。
女記者: 気色悪いから、見得を切るのもやめて下さい。
見習い: どうです、編集長、僕と一緒にバルしませんか。連れバル。
編集長: 君となぁ。そそられんなぁ。それにわしはどっちか言うたら「せんべろ」派やからな。
見習い: 何ですか「せんべろ」って。
編集長: 「千円でべろべろ」の意味や。敬愛する今は亡き中島らもさんと小堀純さんの共著『せんべろ探偵が行く』(集英社文庫)で一般的になった言葉や。そう言えば、らもさんはあの頃からようこけてたな。すでに足下がおぼつかんようになってたのかもしれんな。
女記者: でも、どんなに安くっても編集長が1000円でべろべろになることはないでしょ。
編集長: まあな。わしのホームグランウンドの十三の居酒屋は大瓶ビールが420円、焼酎の水割りが280円、これにおでん3つで300円。締めて1,000円やがほろ酔いにもならんな。
見習い: 僕だったらべろべろですね。じゃ、こうしましょうよ。3軒目から僕の分のアルコールは編集長に提供します。
編集長: チケットが5枚綴りとしたら合計で8杯か。日本酒とワインを間にはさんだら、かなりべろべろになりそうやな。普段、お酒を飲む時はあんまり食べへんねけど、バルではそういうわけにもいかんやろうから、無理して食べたらべろべろがゲロゲ……(グワッシャーン)あ、わ、わ、わ。
女記者: やめなさい! ほんとに品というものがないんだから、この意地汚い酔っぱらいは。見習い君、こんなのと一緒に行かない方がいいわよ。
編集長: こ、こんなの……。
女記者: だってそうでしょ。私はこの春にあるバルに参加したんだけど、女子の3~4人連れというのが結構多いのよ。5軒も回るのはハードだから、2人でチケット1セット買うとか、3人で2セットとか。それでお酒飲んだり、スウィーツを食べたり。みんなマップ持ってウロウロしてるから、そんなところに編集長みたいなのを放したら、必ず「あ、君たちもバル? あの店は行った?」とか言って絶対近寄って行くんだから。
編集長: 魚心あれば水心というからな。
女記者: ことわざの使い方が間違ってます。向こうが編集長に好意を寄せることなんてあり得ません。下心だけの人間なんですから。
編集長: 無茶苦茶言いよんな。
見習い: うーん、じゃ、僕、ほかの人を誘います。
編集長: こら、今さら何を言うんや。どうしてもわしと行けへんというなら、チケット3枚置いていけ。
見習い: 無茶言わないで下さいよ。まだチケットも買ってないのに。それにさっきは気がそそられんなぁなんて言ってたじゃないですか。
編集長: 「君子は豹変す」というやろ。女記者君の言う通りなら、君みたいなもんでも若い男がいてる方が有利みたいやからな。
見習い: 君みたいなもんって失礼な。それに有利って何を考えてるんですか。女記者さん、ことわざの使い方間違ってないですか。
女記者: 間違ってます。本来は、立派な人は自分が間違っていると分かればすぐに改め、自らを向上させるという意味だけど、最近は自分の都合のいいように意見を変える、それのどこが悪い、君子だって豹変するんだからといった感じで使われることが多いみたい。編集長の場合は明らかに後者です。自己弁護に過ぎません。
編集長: えらいきっぱり言うてくれますな。ええわい。もう君らは相手にせん。第一編集室の良識ある人間を誘うわ。
第一編集室一同: いやで~す。
編集長: その代わりこれあげるって……バ、バルサン(バタンキュー)って、わしはゴキブリか!