12月中旬、京都・世界遺産 二条城にて、特別事業「世界遺産 二条城の早春」のメディア向け試食会・内覧会に参加してきました。
毎年恒例のこの企画は、二条城の歴史や文化の魅力発信を目的としたもの。今年は、通常非公開の「香雲亭」での特別昼食と、国宝 二の丸御殿〈白書院〉四の間の初公開という内容になっています。

迫力があります!
非公開「香雲亭」で早春の特別昼食
まずは、清流園内に佇む「香雲亭」へ。
「香雲亭」は、旧角倉了以屋敷から移築された建物で、通常は内部非公開。
特別事業開催の期間のみ、早春の情緒あふれる和洋折衷の庭園 清流園を眺めながら、
老舗料亭が手がける京料理を味わうことができます。
今回いただいたのは、「早春の二の丸御膳」。
なますや木の芽和え、湯葉を使った品々に始まり、堀川牛蒡真丈射込み、伏見唐辛子と梅丸十の素揚げなど、京都を感じる料理が美しく並びます。
季節の逸品料理も見どころ
1月は「聖護院蕪蒸し」、2月は「甘鯛と湯葉の豆乳鍋」と、月替わりの品が用意されています。
庭園を眺めながらいただく京料理は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのよう。
小春日和のなか、素材の持ち味を活かしたやさしく繊細な味わいに舌鼓を打ち、
香雲亭の空間そのものに癒やされる、贅沢な時間でした。

「早春の二の丸御膳」

国宝 二の丸御殿〈白書院〉四の間が、ついに初公開
食事のあとは、いよいよ二の丸御殿へ。
二条城は、慶長8年(1603)、徳川家康が将軍上洛時の宿泊所、そして京都御所守護のために築いた城です。寛永3年(1626)の「寛永行幸」にあわせて大規模な改修が行われ、現在の姿が整えられました。
将軍が実際に生活し、政務や儀式を行っていた中心的な建物が「二の丸御殿」で、遠侍・式台・大広間・蘇鉄の間・黒書院・白書院の6つの建物が廊下でつながり、奥へ進むほど、立ち入ることのできる人が限られていたそうです。最奥部に位置する〈白書院〉は、将軍の居室とされていた空間。一の間から四の間にかけての障壁画は、水墨淡彩で描かれているのが大きな特徴です。
趣あふれる障壁画
今回、〈白書院〉四の間は、一昨年、障壁画を原画から模写へと嵌め替える作業が完了したことで、初の公開が実現しました。
描かれているのは、雪に覆われた冬景色。
孔雀や鷲といった威風堂々とした鳥が描かれる大広間とは対照的に、鷺や雀、鷭(ばん)など、身近で素朴な鳥たちが静かに描かれています。
なかでも、寄り添う二羽の雀は「眠り雀」として古くから親しまれ、明治19年(1886)には『日出新聞』で、二の丸御殿を代表する名画の一つとして紹介された記録も残っているそうです。
凛とした空気のなかに漂う、静けさと穏やかさ。将軍の私的空間ならではの、落ち着いた美しさを感じました。

「水田の番人をする鳥」という意味から名付けられた説があるそうです。
障壁画の原画に出会える、展示収蔵館
〈白書院〉四の間の初公開にあわせ、展示収蔵館では「御殿の奥の花鳥~〈白書院〉四の間・帳台の間~」と題した障壁画の原画展示も行われています。
薄暗い空間に浮かび上がる花鳥画は生命力に満ち、御殿内で見る模写とはまた違った表情を見せてくれます。
特別事業「世界遺産 二条城の早春」の各事業内容の詳細
・香雲亭での特別昼食(人数限定・完全予約制)
期間:令和8年1月10日(土)~2月28日(土)
・国宝 二の丸御殿〈白書院〉四の間 特別公開
期間:令和7年12月24日(水)~令和8年1月26日(月)
・重要文化財 二の丸御殿障壁画 原画公開
期間:令和7年12月23日(火)~令和8年2月23日(月・祝)
各催しの詳細は以下からご確認ください
終わりに
恥ずかしながら、私にとって今回が初めての二条城訪問となりました。
まず心を打たれたのは、建築物の美しさとその壮大さでした。二の丸庭園、本丸庭園、清流園と、それぞれ趣の異なる庭園も印象的で、庭師の意図が随所に感じられ、木々の一本一本から確かな「命」を感じるようでした。
建築、絵画、庭園、食など二条城が持つ多彩な魅力を、五感で堪能できる早春の特別事業。
冬から春へと移ろう京都で、静かに歴史と向き合う時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。(penguin)


